子どもの体力は落ちている?
体力とは、「ストレスに耐えて、生を維持していくからだの防衛能力と、積極的に仕事をしていくからだの行動力をいう」と定義されています。つまり、健康に生活するための体力と、身体を動かすための体力があるということです。
文部科学省が行っている「体力・運動能力調査」によると、子どもの体力は、昭和60年ころをピークに低下傾向が続いており、新体力テストへと移行した平成11年以後は、全体的には緩やかな上昇傾向を示しているものの、依然、体力水準が高かった時期と比較すると低水準となっています。
昭和60年度の11歳の平均身長が男子143.2cm、女子145.5cm、平成28年度が男子145.4cm、女子147.3cmと体格面は向上しており、そのことを勘案すると、全体的に体力の低下傾向は続いていると考えられます。健康に生活するための力が低下しているのなら、とても心配なことです。
体力低下の背景
平成14年の中央審議会による「こどもの体力向上のための総合的な方策について」の答申では、原因を以下のように指摘しています。
・外遊びやスポーツの重要性の軽視など国民の意識
・子供を取り巻く環境の問題
・生活が便利になるなどの子供の生活全般の変化
・スポーツや外遊びに不可欠な要素(時間や空間、仲間)の減少など
・就寝時間の遅さ、朝食欠食や栄養バランスの取れていない食事など子どもの生活習慣の乱れ
現代の生活環境において、体力を養うための時間・空間・仲間を確保することが難しくなっていると考えられます。
スポーツをやれば体が作られるのか?
現代の生活環境を鑑みるに、子どもがスポーツ教室やクラブなどで運動機会を得ることも多いのではと思われます。「体力・運動能力調査」においては、1日の運動・スポーツ実施時間が長いほど体力水準が高いという関係性が認められており、現代環境における運動時間確保の問題という点からは、悪くはない選択と言えるでしょう。
しかし、一方で、年齢の低い時期に一つのスポーツに特化することの弊害も指摘されています。
2017年、「British Journal of Sports Medicine」に米エモリー大学整形外科・家庭医学准教授のNeeru Jayanthi氏らによる、7~18歳の若い運動選手1,200人近くを対象にスポーツ外傷のリスクを評価した研究が掲載されました。その中では、12歳未満で1つの競技スポーツに高度に特化した選手に、繰り返しの怪我(スポーツ障害)が多かったことが報告されています。
1つの競技に特化しはじめた年齢が12歳以降だった選手は怪我が少ない傾向にあり、早期に競技に集中することの弊害が指摘されています。
Jayanthi氏は、年間で3カ月以上の休みを取ること、1週間の練習時間は自分の年齢よりも少なくすることなどを提言しており、まだ運動機能が成熟していない段階での過度な同一刺激は避けるべきであると言えます。
具体的にはこのような活動を計画しています。
・スポーツ団体対象に外傷やスポーツ障害と体力づくりへの啓蒙活動
・個人や指導者を対象にした体作り・運動・体操ワークショップ
・部活動サポート
ジュニア世代のスポーツへのサポート経験豊富なカウンセラーが対応いたします。
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